【確定申告シリーズ⑦】確定申告、必要?不要?

確定申告 必要 扶養 確定申告しなければならない 質問BOX

質問:自分は、確定申告が必要なのか、不要なのか、知りたいです!

  給料と副業所得がある場合、確定申告は必要でしょうか?
  税金が戻ってくるパターンもありますか?

答え:副業所得が20万円超であれば、確定申告が必要です。

  会社員の方も、副業で収入がある場合は、所得(利益)が20万円を超えていたら
  確定申告が必要になります。個人事業主の方だけではなく、確定申告が必要に
  なる方はいます。必要(義務)、不要、任意(申告したらおトク)、の3パターンがある
  ので、それぞれ確認をしましょう。

  毎年2月になるとやってくる「確定申告」の季節。
  誰もが確定申告をする必要があるわけではありません。
  去年は不要だったけれど、今年は必要になる、なんてことも。
  確定申告の要不要、また申告したら還付になるよ、というパターンを解説します。

確定申告3つのタイプ

  1. 「しなければならない人」 → 申告しないとペナルティ!
  2. 「しなくて良い人」 → 申告の義務なし
  3. 「しなくても良いが、した方がお得な人」 → 申告すると税金が戻ってくる!

 自分がどのタイプに当てはまるのか、しっかり確認しましょう。
 意外と見落としがちなポイントもたくさんあります。

まずは基本!確定申告って何?

▶確定申告とは
 確定申告とは、1年間(1月1日~12月31日)の所得と、それに対する所得税を自分で計算して、税務署に報告・納税する手続きです。

▶申告期間 毎年2月16日~3月15日
 ※土日祝日と重なった場合は、翌平日が期限になります

▶会社員は年末調整があるから不要?
 会社員の場合、会社が年末調整で税金を精算してくれるので、基本的には確定申告は不要です。
 ただし、「基本的には」というところがポイントで、会社員でも確定申告が必要なケースがあります

あなたはどのタイプ?簡単判定チャート

 まずは大まかに、自分がどのタイプに該当するか確認してみましょう。

        収入のパターン結果
個人事業主・フリーランスで所得が95万円超申告必須
会社員で年収2,000万円超申告必須
会社員で副業所得が20万円超申告必須
会社員で年末調整済み、副業なし申告不要
年金受給者(年金400万円以下、他の所得20万円以下)申告不要
医療費が年間10万円超、住宅ローン控除(初年度)など 任意だが申告すると還付

※これは簡易的な判定です。詳細は以下で解説します。

【タイプ①】確定申告が必須な人

 このタイプの人が申告しないと、無申告加算税や延滞税などのペナルティが課される可能性があります。

個人事業主・フリーランス

 条件:所得が95万円を超える場合

 ポイント:
  ・ 「所得」とは「収入 − 経費」のこと
  ・ 売上が95万円超でも、経費を引いた所得が95万円以下なら申告不要
  ・ ただし、事業の証明のために申告書の控えが必要な場合が多いので、所得額に関わらず
   申告するのがおすすめ

 ※2024年分までは48万円でしたが、2025年分から基礎控除が95万円に引き上げられました。
  合計所得金額が132万円以下の場合、基礎控除(最大95万円)により所得税がかからないケースが
  あります。なお、「基礎控除95万円」は恒久的な基礎控除額ではありません。

▶会社員(給与所得者)で確定申告が必要なケース

年収2,000万円を超える人
 年収2,000万円を超えると、会社で年末調整をしてもらえません。自分で確定申告をする必要があります。

副業の所得が20万円を超える人
 ※ここが間違えやすい!
  よく「副業20万円ルール」と言われますが、これは「所得」が20万円超かどうかで判断します。

 判定
副業の収入30万円 → 申告必要?間違い! 「所得」で判断する
副業収入30万円 − 経費15万円 = 所得15万円
→ 申告不要
正解! 所得20万円以下なので申告必須

重要:20万円ルールは所得税の話。住民税は別途申告が必要な場合があります

2か所以上から給与を受けている人
 年末調整されていない給与の収入金額が20万円を超える場合は、確定申告が必要です。

 例:本業の会社+アルバイト
  本業:年末調整済み
  アルバイト:年間収入25万円 → 確定申告必須

▶不動産所得・株式譲渡益がある人

  • 不動産所得(家賃収入など)が95万円を超える場合 → 申告必須
  • 株式譲渡益が95万円を超える場合 → 原則申告必須
  • ただし、源泉徴収ありの特定口座やNISA口座は申告不要

▶その他のケース

  • 退職金を受け取り「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない人
  • 一時所得(競馬の払戻金、生命保険の一時金など)が一定額を超える人
【タイプ②】確定申告が不要な人

 このタイプの人は、そもそも確定申告の義務がありません。

▶会社員(年末調整済み)
 以下の条件をすべて満たす場合、確定申告は不要です。

  • 年収2,000万円以下
  • 1か所からの給与のみ、または2か所目の給与が20万円以下
  • 副業所得が20万円以下
  • 会社で年末調整を受けている

▶年金受給者
 以下の条件を両方満たす場合、確定申告は不要です(確定申告不要制度)。

  • 的年金等の収入が400万円以下
  • 公的年金等以外の所得が20万円以下

▶個人事業主・フリーランス(所得95万円以下)
 所得が基礎控除額(95万円)以下の場合、課税所得が0円となるため、確定申告は不要です。
 ただし、事業の証明などで申告書の控えが必要な場合があるので、申告しておく方が無難です。
 青色申告をしている人は、赤字の繰越(3年)もできます。

【タイプ③】申告義務はないが、した方がお得な人

 このタイプは確定申告の義務はありませんが、申告すると税金が戻ってきます!
 これを「還付申告」と言います。還付申告は翌年1月1日から5年間いつでも可能です。

▶医療費控除を受けたい人
 医療費控除は年末調整では処理できないため、確定申告が必要です。

 条件:年間の医療費が10万円を超える(または総所得の5%を超える)
 対象となる医療費:病院・歯科の治療費
         処方箋による薬代
         通院のための交通費(公共交通機関)
         出産費用など

  ➡医療費控除について詳しくはこちら

▶住宅ローン控除(初年度)
 住宅ローンを組んで家を購入した初年度は、必ず確定申告が必要です。
 2年目以降は年末調整で処理できます。
 最大控除額が大きいので、忘れずに申告しましょう。

▶ふるさと納税をした人(ワンストップ特例を使わない場合)
 ふるさと納税には「ワンストップ特例制度」がありますが、以下の場合は確定申告が必要です。

  • 寄付先が6自治体以上
  • もともと確定申告が必要な人(個人事業主など)
  • 医療費控除など他の理由で確定申告をする場合

▶年の途中で退職し、再就職していない人
 年の途中で退職し、年末調整を受けていない場合、払いすぎた税金が戻ってくる可能性が高いです。

▶株式の譲渡損失を繰り越したい人
 株式取引で損失が出た場合、確定申告をすれば3年間繰り越して翌年以降の利益と相殺できます。
 ※源泉徴収ありの特定口座でも、損失繰越のためには確定申告が必要です

間違えやすいポイント&よくある疑問

Q1. 副業20万円ルール、住民税はどうなる?

 A. 所得税は20万円以下なら申告不要ですが、住民税は別途申告が必要です
  副業所得が20万円以下でも、住民税の申告はお住まいの市区町村に行う必要があります。
  所得税の確定申告をすれば自動的に住民税も処理されますが、所得税の申告をしない場合は
  別途住民税の申告を忘れずにしましょう。

Q2. 所得95万円以下なら絶対に申告不要?

 A. 税金はかかりませんが、申告した方が良い場合があります
  個人事業主の場合、収入証明や融資の際に確定申告書の控えが必要になることが多いため、
  所得額に関わらず申告しておくことをおすすめします。
  また、源泉徴収された税金がある場合は、申告すれば還付される可能性があります。

Q3. 年金受給者の確定申告不要制度、注意点は?

 A. 医療費控除などを受けたい場合は申告が必要です
  確定申告不要制度の対象者でも、医療費控除や生命保険料控除などを受けて税金の還付を
  受けたい場合は、確定申告が必要です。
  また、公的年金以外の所得が20万円を超える場合も申告必須です。

Q4. 申告しないとどうなる?

 A. ペナルティがあります
  無申告加算税、延滞税など。
  青色申告の場合は、青色申告特別控除が最大65万円→10万円に減額。
  本来の納税額に加えてこれらのペナルティが上乗せされるため、経済的な負担が大きくなります。

確定申告のお得情報

還付申告は5年間さかのぼれる
 「去年の医療費控除、申告し忘れた!」という場合でも大丈夫。
 還付申告は5年前までさかのぼって申告できます。

家族の医療費も合算できる
 医療費控除は、自分だけでなく「生計を一にする家族」の医療費も合算できます。

セルフメディケーション税制
 医療費が10万円に届かなくても、スイッチOTC医薬品(市販薬)の購入額が年間12,000円を超えれば
 控除を受けられる制度です。
 ※医療費控除との併用はできません。どちらか有利な方を選びましょう。

e-Taxなら自宅から簡単申告
 マイナンバーカードがあれば、自宅から24時間いつでも申告できます。税務署に行く必要はありません。
 さらに、e-Taxで青色申告をすると、青色申告特別控除が55万円→65万円にアップします。

確定申告の流れ(ざっくり)
  • 必要書類を準備:源泉徴収票、領収書、控除証明書など
  • 申告書を作成:国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作成可能
  • 提出:方法は3つ
        e-Tax(電子申告)
        郵送
        税務署の窓口
  • 納税または還付:納税の場合:3月15日までに納付、還付の場合:約1~2か月後に振込
まとめ

確定申告は、自分がどのタイプに該当するかを正しく理解することが第一歩です。

タイプ① 申告必須タイプ② 申告不要タイプ③ 還付申告
• 個人事業主(所得95万円超) 
• 年収2,000万円超
• 副業所得20万円超
 → 申告しないとペナルティ
• 年末調整済み会社員
• 年金受給者(条件あり) 
• 所得95万円以下
 → 申告の義務なし
• 医療費控除
• 住宅ローン控除
• 年の途中で退職
 → 申告すると税金が戻る
  • 副業20万円ルールは「所得」で判断(収入ではない)
  • 20万円以下でも住民税の申告は必要な場合あり
  • 還付申告は5年間さかのぼれる
  • 申告しないとペナルティあり

 わからないことがあれば、税理士や税務署に気軽に相談してみましょう。

 
 

※本記事は2026年1月時点の法令・制度に基づいて執筆しています。内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の事情に応じた法的助言を行うものではありません。万が一、記事の内容をもとに行動された結果として損害などが生じた場合でも、筆者としては責任を負いかねますこと、あらかじめご了承ください。

 

質問コーナーつきましては、「わかりやすさ」を第一に考え、次のことを心がけております。

専門用語をなるべく使わない
 ➡正しいけれど意味のわかりにくい言葉(税法用語など)を使わず、簡単な表現に言い換えてお伝  
  えします。そのため、専門家による専門家のための実務書とは表現が違うこともままあります
  
“超”がつくほど例外的なパターンまではあえて言及しない
 ➡あらゆるパターンを網羅してお答えしようとすると、回答が膨大な量になる恐れがあります。
  情報の多さに「で、結局答えは??」とゴールが見えなくなってしまわぬよう、まずは基本的なこと
  をシンプルにお伝えします

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