タンスに衣類、布団に生活道具。
長年この家で暮らしてきた痕跡たちの整理が、ようやく終わりました。
さて、今回の作業は、床の解体(準備)です。
片付け完了、そして謎の発見
床は畳敷きで、その上にゴザが敷いてありました。場所によっては3重に。
寒かったのでしょうか、畳の保護のためでしょうか。
そのゴザをすべてはがしました。
ここからが本題。奥の部屋の真ん中あたりに、座布団サイズの四角い畳がありました。
何の気なしに「ちょいとはがしてみようかな」と持ち上げてみたら…
脱出口現る!
冗談じゃなくて本当に穴が開いていたんです。
床板がぽっかりと四角く抜かれていて、そこを除きもむと暗闇が。
目をこらすと、穴の下には、ガレージのシャッターの内側がうっすら見えます。
この穴はうっかり開いてしまったという偶然の産物ではなく、明らかに意図的。
まるで映画に出てくる「緊急時の脱出ルート」みたいです。
一体どんな緊急事態を想定していたのか。強盗?台風?スパイ?忍者?
それとも単純に「下のガレージに降りるのが面倒だから」という生活の知恵だったのか。
謎は深まるばかりです。
ロマンあるとはいえ、板張りにするなら穴はふさがないと危ない。
そのため、リノベによりこの不思議な穴ともお別れです。
でも、この家の前の住人のなぞの生活が垣間見えるような、ロマンある面白い発見でした。
いよいよ「自分の空間」作りが始まる
物がなくなると、俄然リノベーションの現実味が増してきます。
「ここに本当に事務所を作るんだな」と。
しみじみとしていて、はたと気づいたのは内装のイメージを具体的に考えていなかったこと。
いつもながら私は行き当たりばったりです。
事務所は2部屋構成。
使い方としては、玄関に近い手前の部屋は、お客様をお迎えする応接スペースにする予定です。
ここで出たのが「カウンターを作って、カフェ風にしたらどう?」という案。
これは、とても素敵じゃないですか!
木のカウンターの奥でコーヒーでも淹れて、打ち合わせ……いいですね。いいです。
奥の部屋は仕事部屋。
壁には作り付けの本棚ができそうな(床の間っぽい)スペースもある。
天井はちょっと低いけど私の身長なら問題なし。
妄想は膨らむ、でも現実は…
土壁はどうする?壁紙は何色にする?
「古民家事務所」という大雑把なビジョンから、細かい部分を詰めていく段階です。
古民家リノベの事例を見ていると、どれもこれも魅力的で、妄想は膨らみます。
ただし、コストはそれほどかけられないという現実も。
力を貸してくださる皆さんに無理難題を押し付けてしまわないようにも考えなくては。
妄想をうまく現実的なところに着地させるように、自分の「作りたいもの」をしっかり固めていきます。
いまある雰囲気を生かして、作りたいです。
一点豪華主義ではないですが、ここはこだわって作りたいというところを決めるのが良いかも。
あ、この建物で気に入っている、ベランダです。
今は危なくて立ち入れていないのですが、使えるようになったらいいいなと思います。
妄想と現実の間で揺れる、これもリノベーションの醍醐味の一つですね。
次回は「畳を運ぼう、さあどこへ?」です。大量の畳、一体どこに行くのでしょうか。