【確定申告シリーズ③】勤労学生控除と障害者控除

勤労学生控除 障害者控除 確定申告 所得控除 学生 バイト 質問BOX

質問:学生アルバイト、障がいがある人が申告をするときの確定申告は?

  学生アルバイトで収入が多い場合や、本人や家族に障がいがあるときに確定申告で
  使える制度を知りたい!

答え:学生アルバイトは「勤労学生控除」、障がいがある場合は「障害者控除」を確認しましょう

   納税者本人や家族の状況に応じて税金を減らすための控除、いわゆる人的控除。
   アルバイトをしている学生さんには、『勤労学生控除』。
   本人や家族に障がいがある場合には、『障害者控除』。
   これらを使える可能性があります。

 アルバイトをしている学生さんや、ご自身・ご家族に障がいがある方が、税金の負担を軽くするために
 知っておきたいのが、「勤労学生控除」と「障害者控除」です。
 それぞれ、控除が使える条件などをまとめていきます。

勤労学生控除

 働きながら学んでいる学生が対象バイト代の「税金」を安くできる制度です。

 【判定】3つのチェックリスト
  1. 給与所得などの「働いて得た収入」がある
  2. 年間の合計所得が85万円以下(給料のみなら年収150万円以下
さらに、株の配当や副業など「バイト以外」の所得が10万円以下であること
  3. 特定の学校(大学・高校・専門学校など)の学生である

 【控除額】(税金の計算から引ける金額)
  • 所得税:27万円
  • 住民税:26万円
   ※住民税における「非課税限度額」は自治体によって若干異なる(約110万円〜115万円前後)
    所得税はゼロでも住民税だけは数千円発生するという場合があります。

 【2026年提出(令和7年分)からの注意点】
  基礎控除の引き上げに伴い、対象となる年収ボーダーが130万円から150万円にアップしました!
  これまで控除ができなかった人も対象になる可能性があります。

 【重要】親の扶養との関係(123万円・150万円の壁)
  「勤労学生控除」で本人の税金が0円になっても、稼ぎすぎると親の税金が上がることがあります。

 • 123万円の壁(扶養の壁)
  あなた(学生アルバイト)の年収が123万円を超えると、親はを「扶養」に入れられなくなり
  親の税金が増えます。
  ※ただし、「19歳~23歳未満(特定扶養親族)」の場合、本人の年収年収が150万円以下であれば、
   親は63万円の控除が適用されます(給与が123万円超188万円以下で、親は最大63万円~最小3万
   円の控除が受けられるようになっています)。

 •150万円の壁(勤労学生の壁) 
  年収150万円を超えると、あなた自身も「勤労学生控除」が使えなくなり、自分の税金も高くなります。

 • 130万円の壁(社保の壁)
  年収130万円を超えると、親の健康保険から外れ、自分で保険料を払う必要が出てきます。

障害者控除

 本人、または養っている家族(配偶者や親族)に障がいがある場合に受けられる控除です。

 【判定】控除額は「障がいの程度」で決まります
 障がいの重さ(手帳の級など)によって、3つの区分に分かれます。

 区分/対象の目安/控除額(所得税)
 障害者/身体障害者手帳 3級〜6級、精神障害者保健福祉手帳 2級〜3級など27万円
 特別障害者/身体障害者手帳 1級・2級、精神障害者保健福祉手帳 1級、常に寝たきりの方など40万円
 同居特別障害者/特別障害者に該当し、かつ納税者と同居している家族/75万円

 ○対象判定の詳細

 1. 精神の障がい
  • 特別障害者:
   常に自分で物事を判断し、意思決定することが難しい状態。
   (事理を弁識する能力を欠く常況)にある人。
  • 一般障害者:
   精神保健福祉センターや精神保健指定医などの判定により「知的障害者」と判定された人。
   ※このうち「重度」と判定された場合は特別障害者になります。

 2. 手帳の交付を受けている
  ①精神障害者保健福祉手帳
   特別障害者: 障害等級が1級
   一般障害者: 障害等級が2級・3級
  ②身体障害者手帳
   特別障害者: 障害の程度が1級・2級
   一般障害者: 障害の程度が3級〜6級
  ③戦傷病者手帳
   特別障害者: 恩給法の特別項症〜第3項症
   一般障害者: 上記以外

  3. 65歳以上で自治体の認定がある
  障がいの程度が、上記の「知的障害者」や「身体障害者」に準ずるものとして、市町村長や
  福祉事務所長の認定を受けている人。
  ※特別障害者に準ずると認定された場合は特別障害者になります。

  4. その他(公的認定など
  ①原子爆弾被爆者: 厚生労働大臣の認定を受けている人(全員特別障害者)。
  ②寝たきりの状態: その年の12月31日時点で、引き続き6か月以上寝たきりで、
           複雑な介護(排泄の介助など)が必要な人(全員特別障害者)。


【家族を障害者控除に入れるための新条件】
 ご家族を障害者控除の対象にする場合、その家族の年収に注意が必要です。
 • 合計所得金額:58万円以下(改正前:48万円)
 • 給与収入のみなら:年収123万円以下(改正前:103万円)
 • 障害年金は非課税なので、この「所得」にはカウントしなくてOK

【注意】
 16歳未満の子供には「扶養控除」はありませんが、「障害者控除」は年齢に関わらず適用可能です。
 申告漏れが多いポイントなので注意しましょう。

まとめ

 適用を受ける際は、「12月31日時点」の状況で判定すること。
 本人や扶養家族の「合計所得金額」が改正後の基準(勤労学生は85万円以下、扶養親族は58万円以下)に収まっているかを必ず確認しましょう。
 特定の学校の学生証や障害者手帳などの証明書類を提示・添付できるよう準備しておくことも大切です。

 
 

※本記事は2026年1月時点の法令・制度に基づいて執筆しています。内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の事情に応じた法的助言を行うものではありません。万が一、記事の内容をもとに行動された結果として損害などが生じた場合でも、筆者としては責任を負いかねますこと、あらかじめご了承ください。

 

質問コーナーつきましては、「わかりやすさ」を第一に考え、次のことを心がけております。

専門用語をなるべく使わない
 ➡正しいけれど意味のわかりにくい言葉(税法用語など)を使わず、簡単な表現に言い換えてお伝  
  えします。そのため、専門家による専門家のための実務書とは表現が違うこともままあります
  
“超”がつくほど例外的なパターンまではあえて言及しない
 ➡あらゆるパターンを網羅してお答えしようとすると、回答が膨大な量になる恐れがあります。
  情報の多さに「で、結局答えは??」とゴールが見えなくなってしまわぬよう、まずは基本的なこと
  をシンプルにお伝えします

タイトルとURLをコピーしました